†狼BOY×赤ずきんGIRL†
ガチャン。

ビクッ。

突然、旭が私の顔の横をよこぎり、フェンスを殴った。



『あ、あさひ?』


『本当は、瑠季亜の頬を平手打ちしようかと思った。』




いつもの旭とは違い、冷ややかな瞳。いつもよりだいぶ低い声のトーン。

それより、旭が初めて私の事を“瑠季亜”と呼んだ。
なんだか怖い………

旭じゃないみたい………


『………』


何も言い返せない私。




『瑠季亜が本当に悩んでたと思って、自殺しちゃうんじゃないかって思って………皆、すごく心配してた………瑠季亜は俺を試せて良かったかもしれないけど、皆は最悪の気分だ。』



今まで“俺”なんて言わなかったのに………



『人の気持ちもて遊んで…………今の瑠季亜は最低………好きなんて思わない。』




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