†狼BOY×赤ずきんGIRL†

中には、布団を被った柚姫がいた。


柚姫の目は真っ赤で腫れている。



『柚姫…………大丈夫か?』



俺が言うと柚姫の目からたくさんの涙が溢れ出した。



『うぇーん………グスン………ヒック……グスン』



俺はたまらなくなり、柚姫を抱きしめた。

『気付いてやれなくて、悪かったな………』


『グスン…………私…が……最初に……嫌がらせされたのは……打ち上げの日……だった……。前の友だち……が……“永井くんにこびってウザイ”って………それから……まいにち………』



『もういい。もう何も言わなくていい。よく言ってくれたな』



俺は柚姫の頭を撫でた。






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