幼馴染はアイドル!!
「っ!!」
はっとして目が覚めた。
いったいあの夢は何だったのかよくわからない・・・。
でも、あの時おじさんを見ていたその瞳がどうにも忘れられなくて、私は静かにテントを出た。
「暗い・・・。」
周りをくるくると見渡しながら階段を上る。
もう時間は夜中で、月がきれいに輝いていた。
「やっと着いた・・・。」
私がそう言って、ベンチの方を向くと、
「うわぁ!!」
先客がいた。
その時、ベンチの上に座っていた人はびっくりとしてこちらを見た。
「えっと、千里・・・ちゃん?」
「ま、り・・・ちゃん。」
そう真里だった。
でも、その顔はなんだか切なそうで、腕の中には小さな黒い塊がゆっくりと動いていた。