幼馴染はアイドル!!
「じゃ。」
「うん。」
二人で別れてテントに戻ろうとする。
その時だった。
「にゃぁー」
後ろにあの黒猫が私の顔を見て鳴いていた。
周りを見渡すが、真理はもうテントに戻ってしまったらしい。
「・・・どうしよう・・・。」
あたりはどんどん明るくなってくる。
私はとりあえず子猫を抱いて、昨日晩ご飯を食べたテーブルの椅子のところに座る。
「あ、あれあげなきゃ。」
ポケットからさっき入れたお菓子を取り出す。
サクサクと食べ始める子猫。
「水もいるかな・・・。」
浅い小さいお皿を探す。
そこに水道水を入れておく。
どうやら喉も乾いていたようだ。
「実はね、さっきあなたみたいな猫が出てきた夢を見たんだ・・・。」
こちらを猫がじっと見つめた。
「小さい女の子がいてね、かわいいーって撫でてたんだよ?」
猫は小さくあくびをして丸くなった。
「でも、あなたは一人ぼっちになっちゃったんだよね。」
そういって、猫を撫でる。
「ずっと・・・一人・・・ぼ・・ち・・・」
私はテーブルに突っ伏して寝てしまった。