幼馴染はアイドル!!
「ふふ♪じゃぁ、準備にとりかかりますか!」
みんなを見送って先生はテントのある方へと戻っていく。
小さく微笑む先生を横目に俺も歩き始める。
「おーい。おせーぞー。」
俺のことを待っていたのか、慧が軽く睨む。
「・・・別に、待ってくれなんて言ってないし。」
「はは。冷たいなぁ。」
そういって進む。
「お前のせいで最後尾だよ。もう。」
だから、待たなければよかったのに。
「にしても、天気いいなぁ。」
・・・ただ単に話し相手が欲しかっただけだろ。
そう思ったが、ニコニコと俺に笑いかけてくる慧を見て、深く考えないことにした。
少し歩いたとき。
「てか、みんなは?」
不安げにそう聞いてくる慧。
たしかに、いっこうにみんなが見えてこない。
「もう少し先にいるんじゃね?」
「そうかなぁ。」
「とりあえず、歩け。」
それから、数分たったが、
「・・・。」
「・・・。」
マジあいつらどこだよ。
結局歩いてもみんなは見えてこない。
しかも、
「絶対山・・・。」
道はだんだん細く、急になっているのが見える。
しかも、木の量も多くなり、空も見えにくくなってきた。