幼馴染はアイドル!!


「な、なあ。戻ったほうがいいんじゃないか?」

そう聞いてくる慧。

俺もそうしたいのはやまやまだが、

「で、どこに戻るんだ?」

「どこって・・・。」

そう。現在地がまずわからない。

いわゆる迷子だ。

「それに、この先にもしかしたらいるかも、しれないし・・・。」

ものすごくこの言葉には説得力はないが、今はこう言わないと、この先に行く意味がなくなってしまう。

「とりあえず、上、行こう。」

「あぁ。」

そのまま道を歩いていき、ご飯を食べ、日が沈んで来た頃。


「あ、いたーー!」

「ほんとー!?」

前方から手を振る人数名。

どうやらキャンプ場の近くに戻ってきたらしい。

「もう。遅いよー。」

「・・・。」

なんでみんなもう着いてるんだ?

「もう、どこ歩いてたのー!」

そう言ってきたのは、千里だ。

「みんなで心配してたんだよ!」

「ゴメン。道に迷っちゃって・・・。」

すぐさまそう言う慧。

そのまま千里の視線は慧の方へ固定。

そのまま二人は雑談を始めてしまった。

どうやら、迷子になった経緯を説明しているらしい。

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