幼馴染はアイドル!!
花火が半分くらいなくなった後。
「あの、ちょっといい・・・?」
「・・・真里。」
真里が線香花火を2つもってやってきた。
「勝負、しよっか。」
そう言って、少しみんなから離れたところに向かう真里。
俺もついていく。
そして、川の近くにしゃがみこむと、俺に渡してきた。
「火は?」
「ここにライターがあるから。」
そう言って、1つずつつけた。
俺もしゃがむ。
「俺が負けたら真里と正式に付き合うんだっけ。」
乾いた笑いをこぼしながらそうつぶやいた。
でも、真里は無反応。
少し不思議に思い真里を向く。
「・・・あのね。」
真里は前を向いたままつぶやいた。
「私、翔に会ったとき、かっこいい男の子が来たなーって思ったの。」
「・・・あぁ。」
「でも、あんまり気にしてなかった。別にかっこいいだけの普通の子だったからね。」
「・・・。」
「でも、翔が告白してきたから。」
そうなのだ。引っ越してできた友達に面白半分に告白的な感じの方向にもっていかされて、断ることが出来なかったからだ。
そして、てっきり断ると思っていた真里は、
「思わずいいよって言っちゃったんだよね。」
「・・・そうだっけ。」
「そうだよ。それでさ、付き合ってたんだけど、なんか翔はモテモテでさ。」
そして、俺は真里をフった。
「私は、それでもいいと思ってた。あの時言ったのは、ちょっと翔に対して未練があったかからだろうね。」