幼馴染はアイドル!!
「実は、」

夏樹君は軽くうつむき、もう一度息を吸ってから

「俺達学校をやめることになったんだ。」

そう、はっきりと言った。

私は頭のなかで、どういうことなのかをよく考えたあと、口を開いた。

「で、でも、会えるよね。い、忙しくっても、また、一緒に遊べるよね?」

私はすがるように夏樹君を見た。

夏樹君は一瞬目を合わせたあと、また逸らした。

「実は、まだ発表してないんだけど、来月から全国ツアーをやるんだ。」

うつむき、言葉を繋げる。

「その間に海外ロケも決まってたり、新番組も深夜放送だけど、やることになったんだ。」

私は夏樹君から目を逸らせないでいた。

まだ半年も経っていない。

夏休みに色々なことをしたいと思っていた。

冬にはみんなで、初詣に行きたいな、なんて思っていた。

「う、そ、だよね?」

「多分、家に帰ってこれるのはいつになるかわからないから、俺も近いうちに引っ越すことにしたんだ。」

それだけ、忙しくなるということを夏樹君たちの仕事の多さが物語っていた。
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