幼馴染はアイドル!!
ひととおり話した夏樹君は、お茶を一口飲んだ。

それから沈黙が続いた。

お茶の中に入っていた氷がカラン、と動いた音がした。

私はうつむき、ぼそぼそと独り言のように喋り始めた。

「まだやりたいことたくさんあったのに。ひどいよ。今まで、こんなに楽しいって思ったことなかった。一緒に遊園地行こうって言ってくれる人なんていなかった。確かに、夏樹君たちがどんどん人気になるのは嬉しいけど、私だって、ずっとみんなと!」

ばっと顔をあげた。

そこには困った顔をした夏樹君がいた。

その後ろの窓には自分の泣きそうな顔が映っていた。

向かいの部屋にはいつ帰ってきたのか、翔が何かをしているのが見えた。

「・・・ごめんね。こんなのわがままだよね。」

私はそういうと、すっと立ち上がるとくるりと後ろ向いて、

「ごめん。」

そう言って、部屋を飛び出した。

「千里!」

夏樹君をおいて、私は外へ飛び出した。

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