幼馴染はアイドル!!
*千里Side

私は悲しみを通り越して、もう怒っていた。

場所は木がある公園のベンチだ。

意味不明な翔に。

わがままな自分に。

彼らの伸びていく人気に。

真里のキスに。

そこで気づいた。

すべての根元は翔にあることに。

おそらく、翔がSplashではなかったら気にも留めていなかっただろう。

おそらく、翔がすぐに、いつでも会えるのであれば、テレビ電話でも大丈夫だと思えただろう。

おそらく、キスの相手が翔ではなかったら、特に気にもしていなかっただろう。

さっきのも、おそらく伝えてくれたのが夏樹君だったからだ。

頭のなかで整理してくると、顔がどんどん熱くなってくるのがわかる。

「 す、き、なの?」

前から何となくわかってはいたような気がしなくもないが、急に鼓動が速くなる。

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