幼馴染はアイドル!!
「まぁ、誰か来てくれるってことだよね。」

とりあえず、割りきることにした。

あなたを待っております。

つまり、どこかに移動するってことなのだろう。

誘拐とかじゃなければいいんだけど。

そう、私は思いつつ、カレンダーに予定を書いておいた。

今まで楽しかったことが嘘みたいに気分が下がっていく。

ベランダに出て、空を見る。

少し雲があるものの、きれいな夜空だった。

どこかの家の風鈴がチリンとないている。

残りの少ない時間をみんなと過ごそうか。

でも、急に言い出すのは変だったりしないだろうか。

そして、結局翔には聞けていない、真里とのキス。

真里に真相を聞いたところで、意地の悪い真里のことだ。はぐらかされるに決まっている。

そんなことを考えていると、

「おい、ちょ、バカ!」

翔の慌てた声が聞こえ、ガタガタと音がしたあとに、誰かが部屋から飛び出してきた。

「あ、夏樹君。」

呟いたのが間違いだった。

夏樹君と目が合う。思い出す。

「え、ぁっと、その・・・さっきはごめん。」

その様子を見た夏樹君も少し目を逸らしながら

「別に、大丈夫だよ。」

そう言って、二人で小さく笑った。

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