私に光を。

私は彼からペンを受け取り

『わからない』

とだけ書いて渡した。

男の子は少し困惑したような
顔をするも再びノートに書き出した。

『お名前は?』

『わからない』

『お家は?』

『わからない』

わからないしか言えない。

なにも思い出せない。

なにもわからない。


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