俺様彼氏にはご注意ください。



ピリリリリ~♪



少しの喜びもつかの間。

啓祐の携帯が部屋に鳴り響く。



『ちっ…』


そう舌打ちした啓祐は
私に構わず


『もしもし』


そう言って電話に出る。

まぁいつものこと。



ていうか舌打ちするなら
でなきゃいーのに。



“啓祐ー今暇?あそばなーい?”


携帯の向こうから聞こえる
女の人の声。


これもいつもと一緒。


はぁ…


自然とため息が漏れる私。


“颯もー克也も居るよー”


答えなんてわかりきってる。


『んーわかった』



ほら。

ね?



思った通り。


いいんだけどね。


慣れっこだし。




『帰るね』


電話が終わる直前。

帰る仕度が出来た私は啓祐に
そう言って立ち上がる。


啓祐は私をじっと見つめる。


これもいつものこと。



『なに?』



『…別にじゃあな』


謝りもしないなんて、
ほんと自分勝手よね。


男の子いるからって女も居るのに
余裕で行けちゃうんだもん。

ほんと腹が立つ。
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