鬼姫の願い




そんな義姫の態度に苦言を申す者も少なくはない。

輝宗や景綱もその一人である。


例えどんな姿になったとしても、梵天丸は輝宗の息子でありこの家の嫡男なのだ。

ゆくゆくはこの地を背負うべき男。


そんな彼には正しい教養や兵法など、学ぶべきことが山程ある。


しかし今の梵天丸にはそれさえも安心して学べる環境がない。


加えて、家臣の中には義姫の意を後押しする輩がいるのもまた事実。


それが輝宗の悩みの種の一つでもあった。


義姫は持ち前のその男勝りな気質や性格からか、決して自らの行いを改めることはない。




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