魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





その言葉に凛は固まった。



気を抜けば手に持つカフェオレを手離してしまいそうになる。


真剣な瞳を向けてくる捺に、身を強張らせた。凛は“言葉”に躰を硬直させたわけではない。



―…捺が首に手を回したからだ。



喉を這う指先はいつの間にか、喉を掴んでいた。



凛の細い首を今にでも締め付け、窒息死させてしまいそうだった。





「髪も、瞳も、唇も、全部、欲しい。凛の屍体なら、愛せる」

「なつく、」

「屍なら逃げない、離れない、ずっと一瞬だから。―――…凛」

「…っ」

「あのさ」





徐々にギュウッと力が込められていく手に凛は震撼する。声を出そうにも捺の鋭い目に呑まれ自由を失う。金髪から除く捺の目は据わり、凛を閉じ込めた。



ゆっくり捺の唇が開き、発せられた言葉に、凛は身の毛が弥立つ。








――…首、折ってもいい?








静かな放送室に捺の声が浸透する。


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