魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





凛がYシャツを握ったのが分かると捺は更に強く抱き締めた。



肩に回る手が力んだことで、凛は小さな悲鳴を上げる。(痛い、)



しかし捺はお構い無しに顔を首に埋めた。痛いし、拒絶出来ない、この状況。凛は頭を抱える。



会話が滞り空気が澱み始めたとき





ガチャ―――――…





扉が開いた。



取っ手を捻った音でハッとする。“誰か”が来ることは予想出来た筈なのにと、凛は目粉るしさを覚えた。
< 14 / 317 >

この作品をシェア

pagetop