魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
そして扉の向こう側には響。
「凛ちゃ〜ん。まだ終わらね〜の?」
『ちょっ、入っちゃダメ!』
開けようとする響に怒りながら凛は扉を押さえる。風呂場に居る凛の声は曇り声だった。
『リビングに戻ってて!』
「え〜。暇だしイヤ。」
『い、イヤって…』
子供みたいなことを言う響に凛は溜め息をついた。
そして響が扉に凭れ掛かったのが分かる。
どうやら浴室から出るのを待っているらしいが『響がそこに居たら出れないよ…』と凛は思った。