魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「ぜってえあの女が絡んでる。」
『ち、違う!紗枝ちゃんは関係ないよ!』
「俺は“紗枝ちゃん”なんて一言も言ってねえけど?」
『う…っ!』
は、嵌められた!と凛は思った。シャワーから出るお湯を顔に浴びせて自分の実態を咎める。
「凛はあの兄妹と仲良いンだな。」
『あの兄妹――?――あ、ああ。幹久先輩と紗枝ちゃんのこと?』
いきなり兄妹と言われて誰のことなのか凛は分からなかった。急に幹久先輩の名前が上がったことにキョトンとする。
何故響がそんなことを聞くのか分からないが仲が良いのは間違いでは無いので凛は頷いた。