魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「痛ッ」
身体が浮き膝がタイルから離れる。
髪だけで持ち上げられているため頭皮に痛みが走った。
顔を歪める凛を気にすることなく響は顔を近付けて言う。
「次は一発だけじゃ済まさねえから。」
「…っ」
「身体に刻み込まれるぐれえの痣を付けてやるよ。オメエに綺麗な身体は入らねえ。」
「…い、や。」
「汚くなって嫌われたオメエを俺が愛してやる。」
痛むお腹を押さえながら響を見ると彼は笑っていた。恍惚と自分を眺める響に凛はゾッとした。
きっと彼は、彼女の顔が焼け爛れようが、崩れようが、凹もうが、見るに耐えない顔になろうが関係なく凛を愛すだろう。