魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「そ、それじゃ、消毒とはっ」
「―――…」
「ンん…!」
傷を甘噛みされて、痛みからか、それとも快感からか、くぐもった声を出す。一舐めして指から口を離すと口先に付いた血を舐めた。
「凛の血、甘い。」
「え!?」
やっぱり飲んでた!と凛は慌てる。そして血が甘いなんて虚言を吐く捺の味覚を心配した。甘い筈がない。ただの鉄の味なのに。捺は凛の血でさえ美化される。
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