魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「響は…」
「響?」
「響は今日も…休みなんだね。」
捺が来たのに響は学校に来ていない。反省文も書かされたばっかりなのに懲りない人だと思った。
本当に休みなのかは分からない。ただ校内のドコかに居るだけなのかも。しかし今日1日凛が響の姿を見ることは無かった。
深刻そうな面持ちの凛にキョトンとした捺は言う。
「ただのサボりじゃない?」
「う、ん…」
「深く考えなくてもアイツが学校に来る方が珍しいでしょ。」
捺の言い分は正しかった。
響が学校に来る方が珍しいのに、いつの間にかその理論が逆転していた。指摘された凛は『そう言えば、』と思い出す。
渋々ながらも納得して頷いた。