魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





「身体、もう大丈夫なの?」

「おや?心配してくれてるのかい?ツン7割デレ3割で出来ているツンデレ貴公の捺君が?嬉しいね。」

「死ね。」





あからさまにウザイ反応を見せる真葵に『言うんじゃなかった』と捺は顔を歪めた。


そっぽを向かれた真葵はからかうようにニマニマ笑う。珍しく心配してくれた捺はからかいがいがありつつも、嬉しさもある。





「大丈夫さ。まだ万全じゃないけど人を片手で捻り潰せるくらいには回復したよ。」

「充分すぎるから。」





何言ってるんだコイツは。と捺は呆れた目を向けるが真葵は飄々とするだけだった。


やはりコイツは掴めない男だ。なんせ冗談8割本気2割で出来ているからだ。
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