魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「もうすぐ終わりそうだね、色々と。」
窓から黄昏の空を見て放送機器を弄る捺。もうすぐ完全下校の時間だった。彼女が用意していた音楽を適当に流し始めた。
終末を迎えると言った捺を、響は嘲笑う。
「終わりだぁ?バァカ。
ハジマリ――――だろ?」
口角を上げてシニカルに微笑した。
「んふふ。悲劇か喜劇か。血塗れになるのも悪くない。」
CDを間違ったのか、流れる音楽は縁起悪くも“絶望へのテーマ曲”だった。