魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





もう一度、眠って…


全てを忘れたかった。


しかし寝れば、またあの恐怖が待ち受けているのかと思うと早々に眠ることなど出来なかった。





「授業に、出ようかな、」





あまり気が進まないがここで悶々と考え込むより幾分かマシだと凛は思った。


夢が怖いなら、現実に逃げるしかない。


――…しかし現実はそう、甘くはなかった。





「え」





自分の姿を見た凛は硬直した。
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