魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





「な、に、これ。」





ベッドから下りようとしたときに見てしまった格好に絶句する。


寝相が悪いとか、そんな簡単なことじゃなかった。





「な、んでこんなに、みだれて、」





ワイシャツのボタンは取れ、全開。下着が見える胸元や、お腹には赤いマーキングだらけ。よく見ればベッドには凛の物と思われるネクタイが置いてあった。





「―――…っ」





現状を理解した後、凛は唇を噛み締める。そして眠るときに椅子に掛けておいたカーディガンを取ると、そのまま抱き締めた。
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