魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





「凛は何で学校に居るんだ?休みだろ?」

「え、えっと…辞書を忘れたので取りに来ました。」





いきなり話を振られて目を泳がせた凛はしどろもどろになりながら答えた。





「偉いな。休日なのにわざわざ取りに来たのか。」

「いえ…。課題の期日が明日までなので辞書が無いと困るんです。」

「明日?凛がギリギリに提出するなんて珍しいな。」

「そう、ですか…?」





苦笑いで誤魔化すが、実際、本当に珍しかった。


ずば抜けて成績が良いと言う訳ではないが提出物は確り出す生徒だ。真面目な凛が期日間近になって焦る事は珍しい。『忘れてました。』なんて言われた暁には明日は雨が降ると思ってしまうほど。
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