魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
学校創立記念日で休校。
外は曇り空でどんより。雨が降りそうな天気だが、学校は休みだったため、凛はベッドの上でゴロゴロしていた。
布団にくるまり、うたた寝していたときだった、
―――――PiPiPiPiPiPiPi
携帯がけたたましく鳴り響いたのは。
「っぅわ!」
枕の傍に置いていた携帯。いきなり耳元で鳴り響いた音に凛は飛び起きる。うとうとと眠っていたがこれには目も醒める。
「び、ビックリした…」
はぁ、と息を付きながら携帯を見る。
いまだに消えない赤いランプと“PiPiPi”と鳴る音。メールではなく電話だと凛は漸く気づいた。