魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
第18話
歪んだ愛情表現
―――――血に染まった不良達は倒れている。彼等の手によって。しかし襲い掛かってきたのは不良達の方。彼等曰く正当防衛だ。あまりにも遣り過ぎな正当防衛と言う名の残虐。
痙攣した足や血だらけな姿がおぞましい。ナイフが足に突き刺さり悶えている不良もいる。鉄パイプは折れ曲がり放棄。最早逃げ出そうとしている不良達。
しかし売られた喧嘩は買う主義の捺と、この状況を純粋に楽しんでいる真葵の手により退路は塞がれる。
凛は酷(むご)い光景を泣きそうな表情で見入る。赤が嫌いになってしまう程の夥しい血の量。裏道は鉄の臭いが充満し、吐き気が襲う。