魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「私はこのままの方がいいかな?」
ニッコリと微笑んで言うと紗枝の箸から卵焼きがボトッと落ちる。硬直している彼女に何か勘違いをさせてしまった、と慌てて凛は付け足すように言う。
「紗枝ちゃんは可愛い後輩だから今のままが良いってことだよ。私の妹みたいな子だから同じ学年になるのは困っちゃうよ。」
「…妹?」
「うん。」
「…紗枝が凛先輩の妹?」
「うん。私が勝手にそう思ってるだけだけどね。やっぱり迷惑かな?」
「まさか!!」
いきなりカッと目を見開き大声を出す紗枝に凛はキョトンとする。紗枝は顔をふるふると振り否定する。ポニーテールが馬の尻尾のように揺れて凛は可愛いなぁと呟いた。