魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
「…ひ、びき。」
ガタガタと震えながら凛は、響の背後で横たわるフードの男を見る。もがく声が聞こえるあたり微かに意識は有るようだ。
「…そのひと、誰?それに…っ」
意を決して何でこんなことをしているのかを尋ねようとした凛。しかしその前に響が何かをバサッと放り投げた。
ヒラヒラと宙に舞う紙を凛は目で追う。
そして嫌な予感がして眉を顰める。紙は“写真”だったからだ。
それを目で追っているとチラッと見えた写像に眩暈がした。やはり写真は―――――曰く付きだ。