魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
第19話

純粋ゆえに歪む愛












***





パトカーに乗せられた彼等は、凛の家に遣ってきた。


小雨は大雨に変化を遂げ、車の窓を激しく叩き付ける。


数十分して着いた我が家に、凛は酷く懐かしさを感じた。


警察官のひとにドアを開けて貰い覚束無い足取りで車を下りる。


足が震え、よろけた凛を支えようとした警察官――――の手を払い除ける響。





「触んな。」

「す、すみません。」





啖呵を切って凄まれ警察官は一回り以上歳下の響に頭を下げた。


凛は響に支えられながらチャイムを鳴らした―――途端、ドタドタと聞こえる足音。そして開かれたドアから顔を出したのは凛の母親だった。
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