魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
日没。次第に深くなる暗闇は1日の学校生活の終了を示す。活動可能な明るさではあるが、あちこちに潜む闇が不安を掻き立てる。
そんな逢魔時(おうまがとき)を掻き消してしまう放送室から発される声。
流暢に流れる行く綺麗な声は思わず足を止めて聞き惚れてしまうほど。まだ校内に居残る生徒や教師もアナウンスに耳を傾ける。
今日の校内アナウンス担当は“彼女”だった。お昼の放送のパーソナリティーや朝の放送でも今同様、彼女の声がゆったりと校内中に浸透していた。
耳を澄まし彼女の声を聞く生徒が多いせいか、やけに校内が静かに感じる。