魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
部活動に励む生徒を窓から眺めていると放送室の扉が、ゆっくり開いた。ガチャンと音が鳴ったことに気付き、振り返る。
扉から姿を現したのは意外な人物で凛は目を見開いた。
久しぶりに見るその男は相変わらず胡散臭さと妖しさ満天。肩までの髪は紫掛かった黒髪。アメシスト色がよく似合う男だ。
「やあ。久し振りじゃないかジャスミン。」
「凛だけど。」
相変わらずの男に凛は溜め息を零す。しかし久し振りに逢えた彼に何処と無くホッとする。