魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





部活動に励む生徒を窓から眺めていると放送室の扉が、ゆっくり開いた。ガチャンと音が鳴ったことに気付き、振り返る。


扉から姿を現したのは意外な人物で凛は目を見開いた。


久しぶりに見るその男は相変わらず胡散臭さと妖しさ満天。肩までの髪は紫掛かった黒髪。アメシスト色がよく似合う男だ。





「やあ。久し振りじゃないかジャスミン。」

「凛だけど。」





相変わらずの男に凛は溜め息を零す。しかし久し振りに逢えた彼に何処と無くホッとする。
< 63 / 317 >

この作品をシェア

pagetop