魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
これはきっと、罪悪感からクるものなんだろうか。
焼けるように胸が熱く、嘔吐を催された凛は眉を顰めた。
村上先生の安否が気が気でない。昨日あれ程元気だった村上先生を陥れた人に怒りが込み上がった。それと同時に自分が情けなくなる。
凛のなかで憶測が確信に変わる。“関係ない”では済まされない。―――――それが分かったとしても、無力な凛には、この状況を覆すことも、終止符を打つことも出来ないだろう。
昨日村上先生から貰った飴玉に付いていたオマケストラップを見る度に、言い知れぬ“何か”が沸き上がった。
紙に触れていた手に力が籠められる。微かに震えているのは恐怖か、怒りか、屈辱感からか。
―――――グシャッと文字が歪んだ。