魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−
――――――Rin's room
部屋の灯りをつけて段ボールを床に置くと凛はブレザーを脱いだ。そしてそのままベッドに腰かける。
凛の部屋はモノトーンだ。ごちゃごちゃしたモノを好まない彼女らしい部屋。必要最低限のモノだけが置かれた部屋は寂しくも、綺麗に整頓されていた。
ぼんやりと段ボールを見つめる凛。しかし、見つめるだけで近寄ろうともしないし、開けようともしない。
凛は何故かあの段ボールから禍々しいオーラを感じていた。
「まさか、ね。」
自分にそんな能力も才能もない。霊能力者じゃあるまいし、自分は何を可笑しな事を思ってるんだ、と自嘲的な笑いを零す。