魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−





全てを埋めた気が晴れた筈なのに――――――――全てを捨てれば気が晴れると思っていたのに実際残ったのは凝り。


凛は訳の分からない気持ちに苛まれる。これは罪悪感でも解放感から来るものではない。こうなった原因が自分に有ることへの後ろめたさと気まずさ。


誰が。いつ。どこで。何のために。 こんなことをしたのか。


考えても解けない疑問に凛は頭を抱えた。何故こうも問題事には“凛”が絡むのか。“凛”に、凛はゾクッとする。


自分と言う存在が少し、怖くなった。


身震いする少女を見たのは、夜空に輝く月だけだった。









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