月と蝶との秘密の糸

でも、シャイナーは私と婚約…『政略結婚』する前から


“女遊び”で有名な王だった。


今もそう呼ばれている。


パーティに参加しても、顔と身体と地位と名誉目当てでシャイナーに近づく能なしの女が溢れており、私とシャイナーはあまり会話をしない。



私とシャイナーには“愛”なんて無いからね。



そりゃあ何もしなくてもあの独特の雰囲気と顔だったら他の女は釘付けだよ…。

真っ黒で艶やかな髪。

黒に紫が少量含まれているかの様な色の瞳。

色白で薄い淡い色をした唇でさえ映える肌。

切れ長な眼差しに耐えられる者は少ないだろう。

私もたまに押される…。



私が見るのは見知らぬ女と話しているシャイナーだけ。


このままじゃ、何時不仲説が浮上するか分からないであろう。

それはシャイナーの名誉に関わる事。

それだけは阻止しなければ。



はぁ…。
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