【完】時計屋「タイム」
「そう、ワシはその時あの懐中時計が二人をつなげてくれたと思ったんじゃ」





おじいさんは、懐かしそうな顔をしながら話した




「そして、妻は息子を生んで、息子もかなり成長したときに一人で店番を頼んでもらっての、
帰ってきたら息子はあの懐中時計を間違えて売ってしまったんじゃよ」





「え・・・・・!」




美穂はとても驚いた





「妻はとても落ち込んだが仕方なく諦めたんじゃよ、でも、息子はその懐中時計を買った子と結婚したんだよ、詳しいことは知らないが、きっとワシたちと同じでよく出会ったんだと思うんじゃ」





「それじゃあ、この時計は・・・・」




「そう、ワシの勝手な考えだが、きっと運命の相手とめぐり会わせてくれると思っとる」





「じゃあ、もしかしたら・・・歩が・・・・・・・」





「何話してんだよ!!!」





そう大声で言いながら突然店に入って来たのは歩だった





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