Ｆａｔｅ．ＬＯＶＥＲ ～運命の恋人～

その約１時間ほど前のこと


町では一際注目を集める
黒い狼がいた


「黒狼だ…」

「黒四獣（こくしじゅう）の…」


賑わっていた町は
彼が通ることによって
どんよりした空気に包まれる

コソコソと話す人々を
鋭く睨む狼


「おい。」

太い声に体を
びくつかせる吸血鬼の子供


「お前だよ、吸血鬼。」

「はっ、はい!!!」

「マントだ、
マントが汚れている
買いかえろ。」

「あ、はい!!
すいません!!」


何だよ。
教えてやったのにあんな顔して…

吸血鬼なんて喰わねーつーの。

ルオンは町から戻っていた


ルオンが目指すのは
丘にそびえ立つ黒い城