Fate.LOVER        ~運命の恋人~
「妖精はどうした?」

「さっき売った。
悪魔商人にな」

…分かっていた
それくらい。

この世界はおかしい

悪を必要とし
善をゴミのように扱う


「ちょっと地下で頭を
冷やした方がいいんじゃないか?」

「黙れ、ライオン。」

「なんだと?」

「だから、黙れって」

「誰に向かって
口をきいているのか
分かってるんだろうな?」

「もちろん。」


「牢屋行きだ。」


その言葉とほぼ同時に
カルとロルダが現れた


「ルオン、さすがに
やりすぎなんじゃね?」

「仕方ないな。」


「捕まえれると思ってんのか?
ばっかじゃねーの」


俺は窓ガラスを破り外へ出た

腐った花畑を走り抜け

めまいのする森を抜けた

そしてきり立った崖を飛び越えて
虹の壁に突っ込んだ



何も聞こえない
何も感じない

そんな不思議な感覚だった


必死だったんだろう

牢屋とは言葉だけだ
<牢屋=地獄>
そんなことくらい知っていた
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