Fate.LOVER        ~運命の恋人~
灰色の雲のせいで
太陽が隠れているせいか

町並は少し薄暗い。



「夏鳥はさ、
彼女とかいるの?」

特に話題がなくて
そんなことを言ってしまった


「…いねぇ」

夏鳥は前を向いたまんま言う


「てか、作れない。
今の俺はあくまで
黒狼の移し身、
なんやかんだ魔界に
戻る時が来るだろう
だから、ずっと一緒に
いられる約束ができない」

「夏鳥…」


「おいっ、
そんなシケた顔すんなよ」


「でも、夏鳥モテるでしょ?」

「はあ?」



「ルックスもいいし
かっこいいじゃん?」


夏鳥は黙り込む

え?
私、今変な事言った?


「なんでそんな事言うんだよ…」

「え?」


「お前、彼氏いたことある?」

「ないない
恋愛経験ゼロですー」



「はぁ…」

夏鳥はため息をつく
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