オトシモノ~君が零した星屑~


「かあ、さん・・・・・」



母さんの姿は、もう無くて――――そこにあるのは。


ただ、コロンと転がり微笑んでいる、あのこけし人形だった。


そして、それを睨み付けるある人物の姿。



「おい、てめぇ誰だ!?」


『あ~、ちょっとお主黙っててくれぬか』



威嚇するように刀の柄を握る土方を、あっさりと制す。


そして、その人形を手に取り、私の方へと歩いてきた。



『はい、千歳。ただいま帰ったぞ』



ニコリ、と腹が立つくらいの綺麗な笑みを浮かべる人物に、思わず影で拳を握る。


< 106 / 466 >

この作品をシェア

pagetop