オトシモノ~君が零した星屑~
『千歳について、知りたいか?』
そう尋ねてくることで、それもあと少しの所で堪えた。
コクコクと頷く自分の影が、薄暗い部屋の中で伸びる。
なんとも間抜けなその姿に、威厳の欠片もねぇ・・・・・
と、心の中で小さく嘆いた。
『千歳には、俺が言ったという事は秘密だぞ?
あいつはが生まれたのは、今よりもずっと前。貧しくも子供の多い・・・・・
過酷な日ノ本の、北の村――――・・・・・』
そう、滑り出した泉箕の話に、俺はみっともない位に食いついた。