オトシモノ~君が零した星屑~


それをヒョイッと交わし、声高らかに読み上げた。



「梅の花~一輪咲いても、梅は梅~!!」



ニィ・・・・・っと笑う沖田に、土方は生気の無い目を向ける。


そんなにこの句を読まれるの、嫌だったのか?


率直だし、綺麗な感じだし・・・・・何より、一輪の梅をしっかり見てる。



「何で、そんなに読まれるのが嫌なの?」



終わった・・・・・と嘆く土方にそっと耳打ちする。


この一瞬でやつれたような顔を、私に向けながら、土方はフルフルと首を振る。


勝ち誇ったような笑みを浮かべる二人に、私は冷たい視線を向けた。


もういい加減、さすがに鬱陶しい。


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