オトシモノ~君が零した星屑~


さっきよりも暗くなったけど、十分過ぎるくらい部屋は明るい。


額に手を当て、うなだれる土方に、そっと淹れたお茶を差し出した。


何も、そんなに落ち込まなくてもいいのに。


やっと、静かになった部屋で私はもう一度、土方に声を掛ける。



「土方、何であの句読まれるの嫌なの?

・・・・・あと何、豊玉さんって」



差し出したお茶を飲み干した土方は、ギクリ、と肩を揺らした。



「・・・・・分かってんのに、聞くんじゃねぇ!」


「うん、分かってる。でも嫌がる意味が分からない」



しばらく答えに詰まった土方に、私は即答で答える。


< 162 / 466 >

この作品をシェア

pagetop