オトシモノ~君が零した星屑~
「千歳さん、どうしました?」
「・・・・・何でも、無い」
歩み寄ってきた沖田から顔を背け、私は沖田とは反対方向に歩いた。
そして、列の最後尾に付く。
まさか、人が目の前で死ぬという事がここまでとは――――
自分自身の頭が現状に付いて行っていない事に、少しだけ驚いてしまう。
ぼんやりと歩き出しながら、いつもと変わらぬ京の町を眺めた。
ここで暮らすには、人を殺さないといけない。
・・・・・それを、心に刻みつけながら。
ある意味、私は薄情な人間なのかもしれない。
なぜか・・・・・そう、思った瞬間に、人を殺していくという事に。
ほとんど抵抗を感じなかったから。