オトシモノ~君が零した星屑~


「どうした?」


「・・・・・まだ、仕事に戻らない、で?」



はい、千歳さん?マジで今のは駄目だろう。


未だに俺を見上げ続ける千歳から、スッと視線をずらす。



「あ、分かったから・・・・・ちょい放してくれ、な?」



熱くなりそうな顔を見られないように、俺は必死に懇願した。


本気で情けない・・・・・


鬼の副長だなんて、一体誰がつけたんだこの野郎。


なんて、自分らしくない事を心の中で呟いている内に。


千歳はそっと、掴んでいた手を放した。


そして、小さく咳き込みながら布団を首元まで引き上げる。

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