オトシモノ~君が零した星屑~
俺をじっと見つめる視線を避けながら、俺は幕を再び持ち上げた。
さて・・・・・千歳が階段から落ちた直後、誰かが助けていたのは分かったんだが・・・・・
今は、どうしているのだろう?
『じゃ、また来年な。爺さん』
ひらっと手を振り、背を向けた。
もう――――誰も、何も言わなかった。
どことなく薄暗い外の景色に、ぼんやりと霞んだ光が灯る大木。
そこに寄り掛かりながら、これからの事をぼんやりと思い浮かべた。
千歳の元に帰ったら、話して。
仲間が出来たのか、聞いて。
でも――――これから、俺がどうなるかは絶対に言わない。