オトシモノ~君が零した星屑~
静まり返った部屋を背にし、月明かりの零れる縁に腰掛ける。
いつもと同じ景色のはずなのに、どことなく寂しさを掻き立てられた。
さっきまで見ていた、あの懐かしい場所。
きっともう戻る事の無い――――自分の、生れ落ちた場所。
『・・・・・神と呼ばれたものが、この様か』
「あなた、本当に神だったんですか、泉箕さん?」
月影で死角になっていた場所から、静かな明るい声が響く。
その話し方と、無駄に作ったような明るい声が沖田のものだと気付くのに、そう時間はかからなかった。