オトシモノ~君が零した星屑~


「河原の方まで降りてみるか。

・・・・・今日は暖かいし、昼飯も持って来たからな」



懐から竹包みを取り出し、ニッと笑う土方は、心の底から楽しんでいるようだった。


ここに来てから、ある意味初めて見た、子供のような無邪気な笑顔。


土方に、笑顔で頷き返しながら、私は手を引かれるままに河原へ降りる。



「わぁ・・・・・っ、凄い・・・・・っ」



下から見上げる桜、風に吹かれて舞う花びら。


そして、水面に浮かび、映る空の上を流れていく桜。


高ぶる気持ちを抑えきれずに、私は土方の手をグイグイと引っ張る。


< 246 / 466 >

この作品をシェア

pagetop